大相撲力士。第58代横綱であり、昭和後期を代表するプロスポーツ選手の一人である。
九重親方として土俵の外で活躍していた2015年7月、突然「内臓疾患」として7月場所を全休した。9月場所で復帰した際、膵臓癌で手術を受けたことを公表した。術後化学療法は拒否したらしいが、2016年に遠隔転移が発覚。標準治療を受けず、鹿児島のクリニックで「4次元ピンポイント照射」という標準治療でない放射線治療を受けたが効果なく、2016年7月31日17時11分に61歳で死去した。
- 「がん闘病の九重親方 抗がん剤拒み樹木希林と同じ放射線治療」『女性セブン』2016年7月28日号
遠隔転移のある膵癌に対する化学療法では、治療を開始した時点の状態にもよりますが、無治療なら生存期間中央値6ヶ月程度に対して、多くの例で12ヶ月以上の生存期間が得られています。もし千代の富士が標準的な化学療法を受けていたら、この記事を書いている2017年7月現在、もしかしたらまだ存命だったかもしれません。
癌治療、特に化学療法は年単位でどんどん進歩しており、効果はもちろん副作用もものすごい勢いで改善されています。くれぐれも「効かない」「副作用が強い」という昔のイメージで拒否したり、まして安易に代替医療などを選択しないことをお勧めします。せめてその前に、複数の専門家と十分にご相談ください。